会長挨拶

 現在、私たちのまわりには新型コロナウイルス感染症やロシアによるウクライナへの武力侵攻をはじめ、貧困と格差、虐待、孤立・孤独、ヤングケアラーに代表されるケアをめぐる諸問題等、早急に取り組まなければならない課題が山積しています。
 そのどれもが社会福祉に関連する課題であり、社会福祉に対する社会的期待はますます高まってきています。今、ソーシャルワーク専門職のグローバル定義で提唱されている社会正義の実現や人権尊重に向けて、躊躇している余地はありません。多様な主体がそれぞれの立場から、できることを行っていく必要があります。日本社会福祉系学会連合も例外ではなく、社会福祉学やまたそれに関連する学問を学び追究する立場からのアプローチが求められています。
 本連合は2006年に設立され、今年で17年目を迎えました。現在は、22の社会福祉系学会で組織されています。これまでは、①日本学術会議社会学委員会社会福祉学分科会への協力、②日本の社会福祉系学会の交流と連携を通した活性化、③研究条件向上のための社会的活動をおもな柱として、活動を継続してきました。具体的には、毎年のシンポジウムや研究会の開催、災害福祉アーカイブの構築に取り組んできています。今後はさらに、加盟学会との連携のもとで、英知を結集して社会への発信力を強めていきたいと考えています。
 加盟学会会員の皆様には、本連合の存在を知っていただくとともに、活動へも積極的に参加していただければと願っています。

2022年6月
日本社会福祉系学会連合会長 保正 友子