昭和41年6月11・12日、日本印度学仏教学会の第17回学術大会(於高野山大学)において、「応用仏教学」部門が新設されることになったのを機に、かねて仏教社会事業の研究と推進とに関心を持っていた関係者が蹶起して日本仏教社会福祉学会を設立することとなりました。設立総会ならびに第1回大会は同年11月11日、立正大学にて開催されました。設立趣意書には「我々は、仏教社会福祉の学術的研究を進めるとともに、社会福祉施設や社会福祉に関係づけられている多くの人々の経営や生活の中に、仏教的なあり方を究明し、把握し、さらにこれを実践的に普及啓発して、姿ないし状態そのものが仏教によって生かされてゆくように望みたいのである」と設立に込められた思いが記されています。
平成29年度より、長谷川匡俊前代表理事(大乗淑徳学園)より代表理事を受け継ぎました清水海隆(立正大学)でございます。会員各位には、平素より日本仏教社会学会の事業にご協力をいただき、誠にありがとうございます。本学会は平成28年度に設立50周年を迎え、長谷川前代表理事の下で記念大会ならびに『日本仏教社会福祉学会50周年記念誌』を発行することができました。学会創設以来の先輩諸氏のご尽力ならびに現会員各位のご協力のおかげと篤く感謝申し上げます。
さて、平成29年度は本学会にとって新たなスタートの年となります。次の50年に向けての大切な時期に代表理事をお引き受けし緊張しておりますが、会員各位のご協力をいただき、本学会の発展のために微力ながら尽くさせていただく所存です。
特に、この3年間に取り組むべきと考えている課題について、以下でその概略を述べ、ご挨拶とさせていただきます。
すでに、長谷川前代表理事が『記念誌』にて述べられているように、本学会は社会福祉の日本的特質を明らかにしてゆく上で求められている仏教の役割の歴史的検証のための基礎資料を、この50年にわたり積み上げてきており、今後はその総合化・体系化とその社会的発信を進めることが、重要な課題であります。
次いで、この研究成果の総合化・体系化が真の意味を持ちうるものとするためには、会員個々の研究の継続的な質的向上を支える仕組みを作ることが必要であり、年次大会や『年報』の継続性の維持とさらに一層の活性化を進めなくてはなりません。
さらに、これらの課題を実現するためには、本学会会員の継続的な確保が必要であることは当然であります。本学会の特徴でもある研究職・研究団体のみでなく実践者・実践団体にも開かれた学会であることの認知を広げ、国内外の仏教社会福祉のさまざまな場面に関わる人々が参加しうる学会となることが必要ではないでしょうか。
当面このような方向性を維持しつつ、本学会の運営に取り組ませていただく所存であります。会員各位のご協力は無論のこと、非会員の方々でご関心のある方々のご参加・ご入会を心よりお待ちいたしております。
日本仏教社会福祉学会代表理事 清水海隆(立正大学)
日本仏教社会福祉学会 役員
(任期:令和2年4月1日より令和5年3月31日まで)
- 代表理事 清水 海隆
- 新保 祐光(大正大学)
- 石川 到覚(大正大学)
- 藤森 雄介(淑徳大学)
- 栗田 修司(龍谷大学)
- 宮城洋一郎(種智院大学)
- 池上 要靖(身延山大学)
- 長崎 陽子(龍谷大学)
- 団体理事 大正大学 宮崎 牧子
- 団体理事 龍谷大学 長上 深雪
- 団体理事 淑徳大学 渋谷 哲
- 団体理事 立正大学 吉村 彰史
- 監 事 梅原 基雄(元淑徳短期大学)
- 監 事 山口 幸照(密教福祉研究所)
- 事務局長 吉村 彰史(立正大学)
本学会は、年1回、全国各地で学術大会を開催し、広く交流の場を設けながら研究を深めてきました。2015年には第50回大会「アジアのソーシャルワークにおける仏教の役割」を淑徳大学で開催し、2016年には50周年慶讃法要並びに記念大会「仏教社会福祉の展望と課題」を立正大学で開催しました。そして、2017年には第52回大会「社会福祉法以後の課題と仏教社会福祉」を種智院大学で開催し、次の50年に向けて歩み始めました。本学会はこれからも、人類の誠の福祉の実現のために、仏教精神に学びながら、皆さまと共に歩みを続けてまいります。
過去の大会テーマは以下をご覧ください。
日本仏教社会福祉学会 大会テーマ一覧